ご自宅の玄関を彩るインテリアとして、表情豊かな麻和紙を用いた2連の和紙アートパネルをご依頼いただきました。ダイナミックな刷毛目の流線と立体的な金のラインが重なり合い、光の当たり方によって多彩な表情を見せる作品です。今回は、完成した特注和紙アートパネルのディテールとともに、お客様との対話を通じて制作した作品をご紹介します。

サイズ:各 W910mm × H230mm × T20mm

ご依頼の経緯と、対話から生まれた2つの形
一緒に飾る形から、それぞれを活かす選択へ
今回のご依頼はもともと「結納品の水引飾りをアートパネルにリメイクしたい」というご相談から始まりました。弊社の結納品リメイクは、アートパネルや額装、屏風、つるし飾りなど様々なスタイルをご用意しており、パネルタイプでは磁石がくっつく軽量ボードを基材に使用して、水引パーツを自由に着脱できる仕様でお作りしています。
当初はその方向でご検討いただいていましたが、お客様が弊社のウェブサイトで様々なアートパネル制作事例をご覧になるうちに、和紙アートパネルそのものの表現や魅力へ興味を持っていただくようになりました。
和紙アートパネルを単体で飾りたいけれど、思い出の水引もなんとか活かしたい。そうお考えになる中で、お客様がご自宅に以前からスチール製のボードをお持ちだったことをきっかけに、両方を楽しむアイデアへとつながりました。そこで今回は、玄関には純粋なインテリアとして2連の和紙アートパネルを飾り、水引はマグネットパーツに仕立ててお手持ちのボードで楽しむという、それぞれの魅力を活かす方法で進めることになりました。

オーダーメイドにおいて私たちが大切にしていることは、お客様のご要望をただそのまま形にすることではありません。ご希望を伺いながら、作品単体の美しさや飾る空間との調和までトータルで考え、作り手としての視点もしっかりとご提案に反映させています。例えばデザインご提案の際、ご要望通りに加飾を増やすと空間全体のバランスが崩れてしまう場合はその旨をお伝えしています。また、サイズや比率に迷われている場合には、設置場所のお写真や壁面寸法をお伺いして最適なサイズ感をご提案することもあります。何がその空間にとって一番心地よいのか、お客様との対話の中で一緒に探っていけたらと考えています。
お客様の「好き」を映すデザインスケッチと再提案
当初、お客様が思い描かれていたのは「白い壁に合う生成りやアイボリーをベースにして、曲線的な金色を加えたい」という大まかなイメージでした。
そこから初回のデザインスケッチをご提案し、あわせてホームページ上の過去の制作事例なども見比べていただく中で、お客様の中で理想の方向性が少しずつ明確になっていきました。具体的には、弊社の過去の流線デザインの事例に目を留めていただき、「金をメインにした右肩上がりの構図」「流れる水というより、風をイメージしたライン」「流れるような美しさと、力強さを兼ね備えた表現」というご希望へとつながっていきました。
そうして絞られた2つの流線パターンをベースに調整を重ね、上下に並べた2枚のパネルを左右にずらして配置した際、空間の中で金の流線が途切れず、心地よい風の動きとして響き合うよう構成した最終スケッチをご提案し、デザインが決定いたしました。

本貼り加工へ進む前の、大切なご確認
弊社の特注アートパネル制作では、パネルへ本貼りする前に和紙を巻き込んで仮止めした写真をお客様にご確認いただいております。
本貼り加工を行った後では手直しできる範囲が限られてしまうため、事前のスケッチのイメージ通りに仕上がっているか、この仮止めの段階で確認していただいています。また、金銀箔粉など後から追加が可能な加飾についてお客様が迷われている場合には、あえて入れずに仮止め(場合によっては本貼り後)の写真をご覧いただいてから、追加するかどうかをご判断いただくこともあります。

麻和紙と金彩が織りなす、完成パネルの表情
力強い繊維感と柔らかな色合いをもつ麻和紙
和紙には、使用する原料によってそれぞれ異なる個性や表情があります。今回のアートパネルの素地に採用した麻和紙(麻100%)は、繊維の凹凸が際立つ力強いテクスチャーと、無着色ならではの柔らかなオフホワイトの色合いが特徴です。

ぱっと見た瞬間にも和紙らしさを強く感じさせる豊かな質感は、作品に印象強い奥行きを生み出し、ご自宅の白い壁面とも自然に調和します。また、麻和紙は和の空間だけでなく現代のモダンなデザインとの相性も良く、以前のブログでご紹介した北欧と和の融合スタイル「ジャパンディ(Japandi)」向けの作品などにも用いています。
躍動感のある金彩と、立体的な金ラインの交差
麻和紙の上には、刷毛目の勢いやかすれを活かしたダイナミックな金彩と、繊細に交差する立体的な金ラインを手画きであしらっています。

力強く伸びる刷毛目の流線の上に、立体感を持つ金ラインを重ねることで、空間を吹き抜ける風のような軽やかなリズムと、視覚的なメリハリを生み出しました。また、パネルのフチ部分までデザインが途切れることなく続いており、斜めや横から眺めた際にも美しい仕上がりとなっています。金の加飾部分は、光の当たり方や見る角度によって、落ち着いた色調から華やかな輝きへと表情が変わるのも魅力のひとつです。

位置を固定して飾れる裏面仕様と、日常のお手入れ
パネルの裏面には、壁面のネジや金具に直接引っ掛けて固定できる直吊り金具を取り付けています。今回のような2連パネルなど、設置位置を固定して飾りたい場合に適した仕様です。

また、和紙のアートパネルというと「ホコリなどのお手入れが難しそう」と思われるかもしれませんが、実は植物繊維である和紙には静電気を帯びにくい性質があり、ホコリをほとんど引き寄せません。日常のお手入れ方法や長く美しく保つためのポイントについては、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

昼と夜で表情を変える玄関の風景(お客様の声)
作品のお届け後、T様より無事に到着した旨のご連絡とともに、実際に玄関へ設置されたお写真をお送りいただきました。お送りいただいた2枚のお写真を見比べると、日中の自然光と夜の室内照明とで、同じパネルがまったく異なる表情を見せていることがよく分かります。


窓から柔らかな自然光が差し込む日中は、麻和紙の爽やかな白さと力強い刷毛目のラインがくっきりと際立ち、明るく清々しい空間を演出しています。一方、夜の暖かな照明の下では、壁面全体に優しい陰影が生まれ、金彩と立体的な金ラインがしっとりと上品な輝きを放ちます。
納品後、T様からは「金の色味は、光に当たるととても綺麗で、線の流れや勢いも和紙の風合いも良いなぁと思いながら眺めています」との嬉しいお言葉をいただきました(※いただいたメッセージより一部抜粋)。また、別でお仕立てした水引パーツについても、お正月が華やかになりそうだとお喜びいただけました。
結納品をどうにかしたいという最初の想いから始まり、対話を重ねて生まれた2連の和紙アートパネルと、水引のマグネットパーツ。それぞれの形がT様のご自宅に心地よく溶け込み、これからの日々の暮らしを豊かに彩る存在となりましたら幸いです。ご依頼いただいたT様、誠にありがとうございました。
インテリア 和紙アートパネル : よくあるご質問(FAQ)
- 納期はどれくらいですか?
-
ご注文の種類によって異なります。
- オーダーメイド品
仕様や数量によって変わりますが、制作開始から約2~3週間が目安です。お急ぎの場合や、ご希望のお届け日がある方は、ご注文前にお気軽にご相談ください。可能な限り調整いたします。 - セミオーダー品
オンラインショップ「Washiあさくら」のアートパネル加工サービスでは、ショップ内のお好きな和紙をアートパネルに加工してお届けします。納期は制作開始から約1週間です。お急ぎの場合は、ご注文時にお知らせください。
- オーダーメイド品
- 費用はいくら位かかりますか?
-
お客様のご要望に合わせて、3つのタイプをご用意しております。
- オーダーメイド品
サイズやデザインによって価格は異なりますが、1点約50,000円(税抜)~を目安にお考えください。費用には「和紙代」「加工代」「パネル代」が含まれますが、別途送料がかかります。(店頭お受け取りの場合は、送料無料です) - セミオーダー品
オンラインショップまたは実店舗でご注文が可能です。パネルサイズは、長方形(910mm×280mm)、2枚セット(280mm角と600mm×280mm)、角型3枚セット(280mm角)の3種類からお選びいただけます。ショップ内の和紙と組み合わせていただくと、1点あたり約18,200円(税抜)~で制作できます。一定額以上のご購入で送料無料です。(店頭お受け取りの場合は、送料無料です)
・壁面アートパネル加工サービスのご案内
- 完成品
オンラインショップでご注文が可能です。
価格は1点約20,000円(税抜)~取り揃えております。
一定額以上のご購入で送料無料となります。
・完成品アートパネル一覧はこちら
- オーダーメイド品
- オーダーメイドは、どのような流れで進みますか?
-
お問い合わせから完成までの、主な流れは以下の通りです。
- お問い合わせ
デザインのご要望、サイズ、ご予算、納期など、どんなことでもお気軽にご相談ください。概算のお見積もりも可能です。 - 打ち合わせ・ラフプランのご提案
設置予定の壁や空間のお写真をお送りいただくと、より具体的なご提案が可能です。お話を伺いながら、デザインの方向性を決めていきます。
※ラフプランは、参考デザインのご提案や、大まかな方向性のご提案のみとなります。 - 本見積もり・ご入金
仕様が確定しましたら、正式なお見積もりをお知らせします。
内容にご納得いただけましたら、ご入金をお願いいたします。
※ご入金前の段階でキャンセルとなっても、費用は一切かかりませんのでご安心ください。 - 正式デザインのご提案・制作開始
ご入金確認後、正式なデザインをご提案いたします。
仕様決定後に制作を進め、途中経過を適宜メール等でお知らせいたします。 - 完成・納品(発送)
完成後、作品の写真をメールでお送りします。
ご確認いただいた後に梱包し、発送(もしくは店頭お渡し)いたします。
アフターサービス
末長くお使いいただけるよう、日頃のメンテナンスやお手入れ方法についてご案内しております。また、パネル本体を活かした新しいデザイン和紙への張り替えや修理なども承っておりますので、何かお困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。
※他社製の和紙製品については対応いたしかねますので、予めご了承ください。自社サイトではシーンイメージや制作事例、ご依頼から納品までの流れを載せています。
※詳しくはこちらをご覧ください。 - お問い合わせ
- オーダー前に色合いや紙質などを確認することはできますか?
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色合いの確認をご希望のお客様には、参考写真をメール等でお送りしております。また、有料(3,000円~)でご希望の色に染めたサンプルの制作・郵送も承っております。紙質については、一部の和紙に限られますが無料サンプルをお送りすることも可能です。その他ご要望がございましたら、お気軽にお知らせください。
- アートパネルの飾り方を教えてください。
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パネルの重量に対して、耐荷重に余裕のある金具をお選びください。軽量なものであれば、市販のピン(ダルマピンなど)を2個使用して壁に掛けることができます。ピクチャーレールがある場合は、対応するワイヤーフックをお使いいただくと、壁に穴を開けずに設置可能です。
取り付け方法や壁面の材質によっては、実際の耐荷重がメーカー公表値より低くなる可能性がございます。耐荷重が大きすぎて問題になることはありませんので、数値に余裕のある金具をお使いいただくと安心です。
- アートパネルのメンテナンスや、取り扱い方法について教えてください。
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はい。アートパネルのお手入れや取り扱い方法については、下記のブログ記事で詳しく解説しております。日常の簡単なメンテナンスから、長くご愛用いただくための注意点までまとめておりますので、ぜひご参照ください。
- 海外発送はできますか?
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はい、可能です。EMS(国際スピード郵便)などを利用し、海外へオリジナル和紙製品を発送しております。ただし、宛先国・地域により発送可能サイズや最長辺に上限がございます。規格外サイズの場合は、代替えの配送業者にて対応可能な場合もございますのでご相談ください。海外発送について、詳しくは下記ページをご覧ください。
生活と和紙、その新しい提案
弊社オリジナルの和紙アートを海外へ。「海外発送」のご利用ガイド | 生活と和紙、その新しい提案 弊社オリジナルの和紙アートやインテリア製品を海外へお届けする際の「配送方法」「関税などの目安」「梱包の安全性」について詳しくまとめました。あわせて関税等のシミュ… - お支払方法について教えてください。
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現金支払、銀行振込、クレジットカード決済、コンビニ決済、翌月後払い、PayPal、ドコモ払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い、楽天ペイ、PayPay残高、Amazon Payからお選びいただけます。
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