紙の糸を使った趣のあるランプシェード。球体型は風船を使って作る方法がよく知られているので、今回は和紙専門店の弊社が、ひと味違う「円錐型ランプシェード」の作り方をご紹介いたします。
インテリアのちょっとしたオブジェとして。または、ツリーに見立てて飾り付ければクリスマスのインテリアとしてもお使いいただけます。ぜひ楽しみながら手作りしてみてください。
市販のLEDキャンドルを入れて、手作りのランプシェードに。
お部屋のインテリアをワンランクアップさせてくれます。
必要な材料・道具
「材料」
- 紙糸(色や太さは好みに応じて。今回は太さ1mmを使用)
- でんぷん糊(糊1:水2で薄めたもの)
- ラップフィルム(サランラップ)
- 白ボール紙(厚さ0.44mm、今回はサイズ22cm×39.5cmを使用)
- チップボール紙(厚さ約1mm。白ボール紙を4~5枚重ねて代用可能)
- 伸縮性の無い太糸(紙糸で代用可能)
「道具類」
- シャープペンシル
- ダルマピン(作る個数分)
- ホッチキス
- セロハンテープ
- ハサミ
- 定規
「必要に応じて」
- ドライヤー(天候の悪い日に使用します。詳しくは”制作開始のStep2“で説明いたします)
- コンパス(無くても大丈夫です)
製作型を作る(Step1~7)
「このStepで使うもの」
白ボール紙・チップボール紙(白ボール紙を4~5枚重ねて代用可能)・シャープペンシル・伸縮性の無い太糸(紙糸で代用可能)・ダルマピン・ホッチキス・セロハンテープ・ハサミ・定規
Step1:白ボール紙をカットする
カットする際に注意していただきたいのは紙の流れ目です。紙には曲がりやすい方向と、曲がりにくい方向があります。写真のように、長い辺が曲がりやすい方向になるようにカットしてください。もしサイズがわからない場合は、今回制作したサイズと同じ縦22cm×横39.5cmでカットしてください。
- 縦のサイズ:縦の長さが完成品の高さにほぼ等しくなります。お好みの大きさでカットしてください。
- 横のサイズ:作る大きさによって変わります。巻いたときに白ボール同士が十分に重なる長さがあると、しっかりした型が作れます。
Step2:白ボール紙を丸める
先端が尖るように、きつめに巻いていきます。最初は白ボールが固いため、うまく巻けない場合もありますが、何度か繰り返すと適度なクセがついて巻きやすくなります。先端が尖っていると、美しい円錐型ランプシェードに仕上がります。
型作りは仕上がりに大きく影響するため、焦らず丁寧に進めましょう。もし上手くいかない場合でも、それは貴重な経験となり次回に活かすことができます。大丈夫です!諦めずにチャレンジしてみましょう。
Step3:ホッチキスで仮止めし、セロハンテープで固定する
巻いた後、ずれない様にまずホッチキスで仮止めします。その後、セロハンテープをしっかりと貼って固定します。セロハンテープは一気に貼ろうとせず、スポットで付けてから全体につけるとやりやすいです。
セロハンテープがシワになっていても、仕上がりには影響しません。
Step4:先端の穴にダルマピンを入れる
伸縮性のない太糸(画像では紙ひもを使用しています)をダルマピンの根本にしっかりと結びます。次に、型の先端にある穴にダルマピンを差し込みます。もう片方の糸の先は、写真の様に型の最も短い部分よりも内側の位置で、緩めの結び玉を作ります。
緩めの結び玉には、後の工程でシャープペンシルの先端を入れます。結び玉の位置は、必ず型の最も短い部分よりも内側(目安として5mm程度内側)に作ってください。
Step5:シャープペンシルで線を引く
先ほど作った緩めの結び目に、シャープペンシルの先端を通します。
結び目にシャープペンシルが入らない場合は、結び目を少し緩めてください。緩すぎる場合は、シャープペンシルが固定される程度に結んでください。
次に、糸が張った状態で、型を回転させながら線を引いていきます。注意点として、ダルマピン側の糸が引っかからないように、片方の手で補助しながら行ってください。
テーブルの上で作業しにくい場合は、型を手に持ち、お腹に軽く押し付けながら行うと安定して作業できます。
Step6:線に沿ってカットする
線に沿ってカットする前に、まずは線から1cmほど離れた場所をぐるりと一周カットします。その後、線に沿ってカットすると作業がしやすいです。
Step7:底部分を作る(チップボール紙使用)
真上から見ると、円錐が少し歪んでいるのが分かります。綺麗に仕上げるために、底部分を取付けます。
底がないと、糸を巻いていくうちに形が歪んでしまうため、必ず取り付けてください。
底のサイズを測り、それに合わせてチップボール紙をカットします。コンパスを使っても良いですが、写真のように厚紙で簡易コンパスを作るのが便利です。片方の穴にダルマピン、もう片方の穴にシャープペンシルを刺して円を描きます。
カットした底の大きさが合わない場合は調節し、写真のように円錐のやや内側に入り込むようにします。はめ込んだ後は外れないように、写真のように4カ所にセロハンテープで仮止めします。これで型の完成です。
型の大きさに合わせて、仮止めのセロハンテープの数は調整してください。
いよいよ製作開始!(Step1~6)
「このStepで使うもの」
製作した型・ラップフィルム・セロハンテープ・ダルマピン・ハサミ・紙糸・でんぷん糊
Step1:ラップを巻いて、先端にダルマピンを差し込む
ラップを、緩すぎずきつすぎないように巻きつけます。このとき、隙間ができないようにしっかりと巻いてください。底の部分だけをセロハンテープで固定し、先端にダルマピンを差し込みます。
底の部分以外にはセロハンテープを貼らないようにしましょう。糊が強く接着しすぎて、後で剥がれにくくなる場合があります。
Step2:紙糸に糊を染み込ませる
でんぷん糊の濃度は、少し濃いめ(シャバシャバだと薄い)で、トロッとした感じが理想的です。糊が薄すぎると柔らかく仕上がり、逆にドロドロと濃すぎると隙間に糊の膜ができやすく、きれいな仕上がりになりません。今回使用したでんぷん糊の場合は、糊と水の割合を1:2にするとちょうど良い粘度になります。
でんぷん糊をしっかり染み込ませたら、手で軽く絞ります。こうすることで、余分な糊を落とし、紙糸全体に糊が均一に浸透しやすくなります。
雨の日や湿気の多い日に制作する場合は、ドライヤーで紙糸の湿気を取り除いてから作業してください。湿気が残ったままだと、糊が十分に染み込まず、仕上がりが柔らかくなってしまいます。
Step3:糊を染み込ませた紙糸を型に巻き付けていく
素手で行うと手が汚れてしまいますが、糸に糊がしっかり染み込んでいるか確認しながら作業できるので、できれば素手で行ってください。
紙糸の巻き方はお好みに応じて行ってください。ただし、あまり隙間が多いと強度が弱くなってしまうため、写真のように隙間ができないように巻くのがおすすめです。また、巻く際はダルマピンの根本を通るように巻き付けると、先端が綺麗に仕上がります。
糊が足りない場合は、手や刷毛などを使って塗り足してください。
最後に、全体を軽く握るようにして、紙糸同士の密着度を高めます。
糊を塗りすぎた場合は、固く絞った雑巾などで軽く叩くようにして余分な糊を取り除いてください。糸と糸の隙間に、固まった糊の膜ができやすくなってしまいます。
Step4:底部分の強度を高めるために紙糸を巻き付ける
紙糸が型の縁ギリギリにくるように調節してください。底部分が歪んだままだと、完成したランプシェードが真っ直ぐに立ちません。お好みの厚さに合わせて巻き付けてください。
今回は5回ほど巻き付けました。底部分を帯状に補強することで強度が高まり、歪みにくくしっかりとした仕上がりに繋がります。その後、ダルマピンは抜かずに、自然乾燥させてください。
Step5:乾燥後、ダルマピンを抜く
乾燥後、ダルマピンを抜き取ります。先端に穴が開いたままになっているため、先端部分だけに糊を塗り、柔らかくなった紙糸で穴を塞ぎ、再び乾燥させます。
完成後に何か飾りを差し込む場合は、この工程は必要ありません。
Step6:乾燥後、型から抜き取る
底部分の糸とラップをカットします。カットした後、底面の蓋を取り、ゆっくりと引っ張ると簡単にランプシェードが抜けます。
蓋を固定していたセロハンテープを引っ張るようにすると、型が歪まずに抜き取れます。この方法であれば、型は再利用可能です。
型から抜き取った後は、飛び出している紙糸をカットして完成です。
最後に
以前、ディスプレイ用として高さ2メートルを超える大きなランプシェードを制作したことがあります。基本的な作り方は今回ご紹介したものと同じです。型の制作は、慣れるまでは少し難しいかもしれませんが、お好みの大きさのランプシェードを作ることができます。
ペンダントライト(吊り下げ照明)など、アイデア次第で様々なものに応用できます。ぜひ、世界に一つだけのオリジナル作品を作ってみてください。
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