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石川県金沢市にある和紙専門店「紙あさくら」の公式ブログです。暮らしを彩る様々な和紙インテリアや制作事例などを発信しています。

手形足形の和紙アートパネル制作事例|結納品リメイクと並べて飾るインテリア

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赤ちゃんが誕生した記念に、小さな手足を記録する「手形足形」。ご家族のかけがえのない記録を、お部屋のインテリアに美しく溶け込む和紙のアートとして残したい。そんなご相談がきっかけとなり、新たな作品が誕生しました。

今回ご紹介するのは、以前弊社で「結納品リメイクパネル」をご注文いただいたお客様からのご依頼品です。第一子ご誕生の記念として、「以前の作品の続きのように、隣に並べて飾れる手形足形の和紙パネルを作っていただけないでしょうか」とご連絡をいただきました。

以前制作した結納品リメイクのパネルと並べて飾ることで、ご夫婦の始まりから新たな命の誕生までがひとつの景色として繋がっていく。今回は、そんな特別な「手形足形の和紙アートパネル」をご紹介します。

赤ちゃんの手形足形を押したオーダーメイドの和紙アートパネル(正面)
麻和紙をベースに、手染めと金箔等で加飾を施した手形足形アートパネル。
(寸法:W210mm×H210mm×T20mm)
目次

家族の物語をアートで繋ぐ、特別なオーダーメイド

今回のお客様は、以前「結納品の水引飾りを使ったリメイクアートパネル」をご依頼いただいた方でした。

グラデーション染めの結納品リメイクアートパネル
以前お作りした「顔料グラデーション染めの結納品リメイクアートパネル」
今回は、この作品の横に並べて飾る手形足形パネルの制作です。

ご新居のリビングや床の間で、今もパネルを大切に飾って楽しんでくださっているという嬉しい近況とともに、「もうすぐ生まれてくる第一子のために、以前のアートの続きとなるような手形足形パネルをお願いしたい」というご相談をいただきました。ご夫婦の記念の品である結納パネルの隣に、新しく生まれてくるお子様のアートを並べたい。その素敵なアイデアを伺い、私たちもぜひお力になりたいと感じました。

真っ先に行った和紙とインクの検証

手形足形を和紙のアートパネルとしてお仕立てするのは、弊社にとって初めての試みでした。そのため、お問い合わせをいただいて真っ先に行ったのが、「そもそも和紙に手形がきれいに押せるのか」「インクは加工に耐えられるか」という事前検証です。「お作りできます」とお答えする前に、まずは確実に形にできるかを確かめておく必要がありました。

最適な和紙の選定

以前のアートと並べた際の統一感を出すため、同じ「麻和紙」を使用することが一番の理想です。ただ、麻和紙は特有の繊維感があるため、手形がきれいに押せるかどうかの確認が必要でした。そこで、手元にあった市販の手形足形用のインクを使用し、表面がフラットな「楮紙」と合わせて、実際に手形を押し比べるテストを行いました。その結果、どちらの和紙でもきれいに手形が残せることが分かり、当初の予定通り「麻和紙」で進めることになりました。

種類の異なる和紙に手形足形用インクで赤ちゃんの手形を押した事前テストサンプル
お客様にご提案する前に、まずは弊社にて麻和紙と楮紙を用いて、手形がきれいに押せるかどうかのテストを行いました。
ちなみに、テストのモデルは我が子にお願いしました(笑)

パネル加工に耐えられるかの検証

また同時に、パネル加工時の検証も行いました。手形足形用のインクはこれまで使用したことがなかったため、あらかじめ「通常の貼り方で問題ないか」「もしにじむとしたらどの程度か」を把握し、対処法を検討しておく必要がありました。そこで、手形を押した検証用和紙を水で濡らしたり、少しこすってみたりして確認を行いました。こちらも通常の加工方法で問題なく進められることが分かり、使用する和紙の検証結果とあわせて、お客様へお伝えしました。

統一感をもたせるための、色とデザインの調整

今回の制作で特に大切にしたのは、以前のアートの隣に飾った際に、色合いやデザインが違和感なく調和することです。色が浮いてしまったり、デザインの繋がりが途切れてしまわないよう、調整を重ねました。

色合いの微調整

弊社のオーダーメイド品は、ご注文ごとに和紙の染色加工から行っています。以前のアートも特色で染め上げていたため、今回も同じ色味を再現する必要がありました。

おおよその色は把握できていましたが、写真と実物では見え方が異なる場合があります。そこで微調整と確認も兼ねて、ベースとなる茶色系に手染めした和紙サンプルを数点制作し、お客様へ郵送いたしました。お手元で既存のパネルと実際に見比べていただくことで、違和感のない色合いに仕上げることができました。

自然に繋がる金ライン

また、以前のアートには立体的な「金のライン」が入っています。並べて飾った際に、このラインが新しいパネルへと自然に繋がって見えるよう、お客様に以前のパネルのライン位置を定規で測っていただき、ぴったり合うように加飾を施しました。

和紙アートパネルの側面にまで美しく描かれた立体的な金のライン
以前お作りした結納品リメイクパネルと並べた際、金のラインが自然に繋がるように位置を合わせて加飾しています。

ご自宅で手形を取りやすくするための工夫

デザインや色合いが決まった後、ご自宅で手形足形を取っていただくための「和紙と専用のガイド(型枠)」をお送りしました。ご出産前後の慌ただしい時期でもありますので、お客様の体調や育児の状況に合わせ、無理のないスケジュールで進めていきました。

急遽ご用意した「2種類の専用ガイド」

当初、このような型をお付けする予定はありませんでした。ですが、仕上がった和紙を前にしたとき、「この辺りに押してください」とお伝えするだけでは少し不親切かなと感じたのです。また、動く赤ちゃんの手形や足形を取る際、和紙の余白にインクが付かないための「ガード」にもなればと考え、押す位置がひと目でわかる「専用のガイド(型枠)」をご用意することにしました。

ただ、事前のデザインスケッチに沿った枠を作ってみると、「この中に手と足の両方を収めるのは、少し窮屈で押しにくいかもしれない」と気がつきました。そこで急遽、予備として用意していた「染めのみを施した和紙」を活用し、元のデザインから大きく変わらない範囲で枠を広げた型も追加で作成し、2種類をお届けすることにしました。

最初に作成した手形足形用の専用ガイド(白い型枠)
手形を押す位置の目安と、インク汚れを防ぐガードを兼ねて作成した専用ガイド
さらに枠を広げて追加した手形足形用の専用ガイド(白い型枠)
左の枠では少し窮屈かもしれないと考え、さらに枠を広げて追加でご用意したガイド。こちらは後から手形足形の位置に合わせて加飾を行う仕様にしています。

お客様には、両方の型を使って手形足形を押してご返送いただきました。どちらにも問題なく押されていましたが、よりきれいに押せていた「枠を広げた型」の和紙で本番の制作を進めることになりました。枠を広げた型用の和紙は染めのみの状態なので、押していただいた手形足形の位置に合わせて、後から金箔などの加飾を施しました。

金箔の装飾が施された赤ちゃんの手形足形の和紙アートパネル(斜めからのアングル)
完成した手形足型アートパネル
顔料染めの和紙に施された五彩箔や立体的な金樹脂ラインの加飾アップ
手形足形の位置に合わせて、顔料染めの和紙に立体的な樹脂ラインや金しぶきをあしらいました。
四角く輝いているのは、独特な模様が特徴の「五彩箔(ごさいはく)」。光の角度によって上品にきらめき、作品に華やかさを添えています。

墨汁への変更と最終確認

ご自宅で手形足形を取っていただく際、事前にお伝えしていた耐水性インクよりも、もう少し濃い色合いが良いということになり、最終的に「墨汁(開明書液)」で手形足形を取ることになりました。

弊社では普段から墨を用いた和紙のパネル貼り加工を行っているため、基本的ににじみの心配はありません。しかし、今回は弊社で普段使用している墨とは種類が異なるため、一緒にご返送いただいた「試し押し用の和紙」を使って改めてにじみの確認を行いました。結果として、こちらも通常の加工で問題なく進められることが分かり、パネル貼り加工へと進めました。

和紙アートパネルの裏面と壁掛け用の取り付け金具
隣り合う結納品パネルと位置をぴったり合わせて固定できるよう、裏面には直吊り用の「ティースハンガー金具」を取り付けました。

お客様の声「抱っこしている間さえ、眺めて癒やされています」

手形足形アートパネルの完成後、お預かりしていた練習用や予備の手形足形和紙一式も、完成品と一緒にお送りいたしました。こうした小さな手形足形の一つひとつも、ご家族にとっては大切な記念になります。

リビングのソファ上に並べて飾られた結納品リメイクの和紙パネルと赤ちゃんの手形足形パネル
以前お作りした結納品リメイクパネル(左)の隣に、手形足形パネル(右)を並べて飾っていただきました。
(※お客様より掲載のご了承をいただいております)

商品到着後、お客様からは「子どもを抱っこしている間も、作品を眺めて癒やされています」といった大変心温まるご感想をいただきました。また、「デザインを考える段階から、完成を待つまでのすべての過程がワクワクする時間でした」と、制作のプロセス自体も楽しんでいただけたことは、私たちにとっても嬉しいお言葉でした。
ご家族の歴史を刻む素晴らしい時間を共有させていただけたことに、心から感謝しております。ご依頼いただいたS様、誠にありがとうございました。

手形足形アートパネルのオーダーメイドをご検討の方へ

今回ご紹介した制作の流れは、あくまで一例となります。

そのため、ご自宅での手形の取り方やお送りするキットの内容なども、お客様ごとに変わる可能性もございます。どのような場合でも、ご依頼内容に合わせた最適な方法をご提案させていただきます。

手形足形アートパネルのオーダーメイドは、おおよそ65,000円(税抜・送料別)〜承っております。サイズやデザインの仕様によって価格は変動いたしますので、ご予算に合わせたご提案も可能です。「こんなデザインにできる?」「自宅できれいに手形が取れるか不安」といった方も、どうぞ安心してお気軽にご相談ください。

染色和紙の上で仰向けに寝転がる赤ちゃんの足元
あっという間に大きくなってしまう小さな手足。今だけの愛おしいサイズを、色褪せない和紙のアートとしてお仕立ていたします。
(※写真の足のモデルは我が子です)

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