ブックカバーは「何を読んでいるか知られたくない」「本を綺麗な状態で保ちたい」など、つける理由は様々です。通勤・通学時も、愛着のあるブックカバーと一緒なら読書がもっと楽しくなるはず。
この記事では和紙専門店ならではの視点で、初心者の方にもわかりやすく「模様作りから行う和紙ブックカバーの作り方」を写真付きでご紹介します。和紙の持つあたたかみを活かした、オリジナルブックカバー作りにぜひ挑戦してみてください。

手作りの和紙ブックカバーを作ってみよう!
模様作りから手作りできる、世界に一つだけのブックカバー。色付けには、なんとインスタントコーヒーを使います!特別な道具は必要ないので、気軽に始められます。
今回は、丸柄と線柄の2種類の作り方をご紹介します。深みのある色合いが上品なブックカバーは、大切な人へのプレゼントにもぴったりです。お気に入りの本と一緒に贈れば、きっと喜ばれることでしょう。

必要な材料・道具
- インスタントコーヒー
- 和紙 (洋紙でも可能)
- 水 (コーヒー液を作るときに使います)
- 容器 (コーヒー液を入れるために使います)
- 筆 (丸筆・平筆。デザインによって使い分けます)
- コーヒーカップなど (リング状の底があるもの)※リング模様で使用
- 麻紐 (今回は太さ3mmのものを使用)※ストライプ模様で使用
- 板 (今回は7cm角×厚さ12mmの建材を使用)※ストライプ模様で使用

ブックカバー用紙の大きさ目安
ブックカバーは本の大きさより、少し大き目のサイズを使用します。
- 文庫本・新書の場合
A4(210mm×297mm)の用紙サイズが目安 - 単行本の場合
A3(297mm×420mm)の用紙サイズが目安
本よりも上下それぞれ2cm以上、左右は本の厚みを含めて左右それぞれ3㎝以上あると良いです。
作る際に本の厚みにあった和紙を用意してください。
サイズ出しが難しいと感じる場合は、新聞紙などの身近なもので一度試作してみましょう。本記事内のブックカバーの折り方を参考に実際に作ってみることで、サイズ感や仕上がりのイメージが掴みやすくなり、本番でもスムーズに進めることができます。
和紙ブックカバーの模様付け 2種
濃淡をつけることで、深みのある味わいのある風合いに仕上がります。コーヒー液の濃度を少しずつ変えて、様々な色合いを試してみましょう。そのほか、薄いコーヒー液で全体を染めて乾燥後、濃いコーヒー液で模様を入れる方法もおすすめです。
リング模様を作る方法
リングが幾重にも重なった模様を作っていきます。
好みの濃さに薄めたコーヒー液を用意してください。

1:筆でカップの底にコーヒー液を適量塗る
丸筆を使用し、カップの底全体にコーヒー液が均一に広がるよう丁寧に塗ります。塗り残しやムラがあったとしても、それが手作りならではの味わいとなりますので、気にせず進めてください。

2:カップの底を和紙に押し当てる
スタンプを押すように、コーヒー液をつけたカップの底を和紙にしっかりと押し当てます。この作業を繰り返し、ランダムに模様を作っていきます。コーヒー液の量や、カップを傾ける角度によって、さまざまな表情のリング模様が楽しめます。
- 溜まりのあるリングのやり方
カップに多めのコーヒー液をつけ、少し傾けてから和紙に押し当てると、リングの中に濃淡が生まれ、立体感のある模様になります。 - きれいなリングのやり方
カップに薄く均一にコーヒー液をつけ、カップを垂直に和紙に押し当てると、輪郭がはっきりとした美しいリング模様が作れます。


スタンプを終えると、下の画像のような模様になります。完成後は直射日光を避け、風通しの良い場所で乾燥させてください。
アレンジとして、濃度の異なるコーヒー液で模様を重ねてみたり、コーヒー液を飛ばしてしぶき模様を加えてみたりするのもおすすめです。


ストライプ模様を作る方法
縦横の線が特徴的な模様をつくっていきます。
好みの濃さに薄めたコーヒー液を用意してください。

1:板に麻紐を巻く
板の裏面に、セロハンテープで麻ひもの端をしっかりととめます。それから、板の周囲を麻ひもでぐるぐると巻きつけていきましょう。巻き終えたら、再びセロハンテープで麻ひもの端をとめ、しっかりと巻き終わりをとめます。
麻ひもが重なったり斜めになったりしても、手作りならではの温かみのある仕上がりになります。
セロハンテープでとめる面は、始めと終わりで同じ面になるようにしてください。


2:平刷毛でコーヒー液を塗る
平刷毛を使用し、先ほど作ったスタンプの表面(セロハンテープで固定していない面)全体にコーヒー液を丁寧に塗ります。特にスタンプの端の部分は、液がしっかりとつくように注意しましょう。
リング模様と同様に、塗り残しやムラがあったとしても、それが手作りならではの味わいとなりますので、気にせず進めてください。
- 液を多めに塗ると:ライン同士の境目がぼやけて、柔らかい印象になります。
- 液を少なく塗ると:ラインがくっきりとして、シャープな印象になります。

和紙に押し当ててスタンプしていきます。
この要領で、1回ずつコーヒー液を塗りながら縦横に向きを変えて押していきます。


スタンプし終えると、下の写真のようになります。
完成後は日陰で吊るして乾燥してください。
初めておこなうときは、あまり深く考えずにスタンプしてみてください。
ランダムに表れる柄も結構面白いですよ。

ブックカバーの折り方
仕上がった和紙にアイロンをかけて、シワやヨレを丁寧に伸ばしてください。
ただし洋紙の場合は、アイロンをかけるとヨレがひどくなるため、アイロンはかけずに進めて下さい。
和紙か洋紙か分からない場合は、まず目立たない部分で試してから、全体にアイロンをかけてみましょう。
仕上がった和紙の裏面に本を置き、上下の高さが均一になるように位置を調整します。この状態で和紙を軽く折り曲げ、折り線の印をつけます。定規を使用すると、よりまっすぐで綺麗な折り線がつけられます。最後に、つけた折り線に沿って、紙の上下をしっかりと折り返します。
上下を折り返す際、本の高さぴったりに合わせるか、数ミリの余裕を持たせると、折り返した部分がきれいに揃い、見栄えがよくなります。


本を挟んで、下の写真のように端が均一に出るように位置を調整します。
本を包むように折り曲げたあと、矢印の中に表紙(もしくは裏表紙)を入れます。


こちらが出来上がりの写真です。
上から見ると、表紙・裏表紙が紙の間に挟まっていることが分かります。
ブックカバーの折り返し部分は、本の厚みに合わせて調整することが大切です。少なすぎると読書中に外れてしまう可能性が高まり、多すぎるとカバーの着脱が難しくなってしまいます。


最後に
使用する和紙によって滲み具合も違うので、それがまた作る楽しみの一つ。自分で作ったものを使うことで、愛着も湧いてきます。長く大切に使っていただくために、弊社のウェブサイトでは「和紙の耐久性を高めるための裏技」をご紹介しています。
今回の作り方を応用すれば、ブックカバー以外にも、栞やメモ帳など、様々なアイテムを作ることができます。ぜひ、あなただけのオリジナル作品作りを楽しんでください。
「和紙DIY用の製作材料ご用意しております」
個人の方はもちろん、教室やイベントで製作される際の染色和紙や糊などの材料をご用意いたします。そのほか作り方やご不明な事など、何かございましたらお気軽にこちらのフォーム、またはお電話・Faxにてお問合せ下さい。
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