玄関やリビングを彩る、可愛らしいリンゴのオブジェ。今回は、温かみのある「和紙」を使った、とっておきの作り方を和紙専門店の弊社がご紹介します。シェルフの上や窓際に飾れば、和紙ならではの優しい質感がインテリアに「ほっこりとした温もり」をプラスしてくれますよ。
初めての方でも安心して挑戦できるよう、各工程を写真付きで丁寧に解説します。さらに、作ったリンゴオブジェをもっと可愛くアレンジする方法もご紹介!ぜひ、あなただけのオリジナルリンゴを作って、お部屋を彩ってみてくださいね。
使用する和紙は、強靭な繊維が特徴の麻100%の和紙。
透け感のある薄口を使用する事で、和紙を重ね貼りした時につなぎ目が分かりにくくなります。
※ 和紙は1枚からご用意できます。 お問い合わせはこちらまで。
必要な材料・道具
リンゴ型オブジェの作り方
Step1:リンゴのヘタをニッパーでカットする
リンゴのヘタを、できるだけ根本に近い部分でカットします。カットしたヘタは後で使うので、なくさないように保管しておきましょう。
Step2:リンゴをラップで包む
リンゴ全体をラップでぴったりと包みます。特に上下のくぼみ部分にも、指先でラップをしっかりと押し込んで密着させてください。こうすることで、よりリンゴらしい丸みのある形に仕上がります。
Step3:和紙をちぎる
和紙をよく見ると、綺麗にカットされた部分や、和紙特有の耳が付いている場合があります。そこで、4辺の状態を均一にするため、まずは和紙の4辺全ての端をちぎって、繊維を出しておきましょう。こうすることで、貼り合わせた時に繋ぎ目が目立ちにくくなります。
綺麗にカットされた面が残っていると、完成時に貼り合わせた部分が目立ちやすくなります。美しい仕上がりにするために、必ず4辺全てちぎりましょう。
次に、下の写真のように和紙を細かくちぎっていきます。初めての方は、一度に全部ちぎらず、大きさを確認しながら進めると安心です。
大きさの決まりはありませんが、目安として、
- 大:直径 約3〜4cm
- 小:直径 約2cm
くらいがおすすめです。大きすぎると曲面でシワになりやすく、小さすぎると貼るのに時間がかかります。大きさはあくまで目安ですので、参考程度に。形にこだわる必要はありませんので、自由にちぎってください。
Step4:和紙を貼る
でんぷん糊は、糊1:水3の割合で薄めて使いましょう。薄めすぎると仕上がりが弱くなってしまいます。反対に、濃すぎると乾きが遅くなったり、和紙に糊が染み込みにくくなって作業がしづらくなります。
和紙をでんぷん糊に浸し、余分な糊を軽く落としてから、ラップで包んだリンゴに貼り付けていきます。くぼみの部分には小さめにちぎった和紙を使い、指先でしっかりと押し込んで形を作ります。
和紙の繊維が自然に広がるように、内側から外側に向かって撫でつけながら貼ると、きれいに仕上がります。隙間がなくなるまで、和紙を重ねて貼っていきましょう。
和紙が重なると透け感がなくなるので、どれくらい貼れば良いか迷ってしまいますよね。今回使用した麻和紙の場合、目安としては5〜6重くらい重ねると、ちょうど良い厚みになります。この後の工程でも厚みを調整できるので、あまり薄すぎず、厚くなりすぎないように仕上げていきましょう。
下の写真は、貼り終えた状態です。くぼみもしっかりと出来ているのがわかります。全体を触ってみると、空気や余分な糊を押し出しながら重ね貼りしたおかげで、程よい硬さがあります。
Step5:自然乾燥させる
日光や熱風による乾燥は、和紙にも中のリンゴにも良くないので、風通しの良い日陰で自然乾燥させましょう。乾きにくい場合は、扇風機を使うと早く乾きます。
乾くと、下の写真のような感じになります。 濡れていた時と比べると、明るい色味に戻っていますね。
Step6:乾燥後、カッターで切込みを入れる
乾燥したら、カッターで切込みを入れて、中のリンゴを取り出します。 写真のように、下側のくぼみ部分はカットせず、必ず残しておきましょう。
和紙だけをカットできるように、刃の入れ具合を調整しながら進めてください。 一度に切ろうとせず、様子を見ながら少しずつカットしていきましょう。
Step7:中身を取り出す
指先で軽く握るようにすると、和紙とリンゴの間に隙間が空いてきます。隙間ができない場合は、和紙がしっかりと切れていない可能性があります。必要に応じて、さらにカットしながら進めてください。
上側が全てカットされ、下側の一部カットされていないのが分かります。
隙間が十分に開いたら、くぼみに親指を入れて、2つに割るようにします。大きく隙間が開いたら、切り口に指をかけて、形が崩れないように注意しながらリンゴを取り出します。
取り出した本物のリンゴは、この後スタッフが美味しくいただきました。
※ 衛生面を考慮し、リンゴは使い回さず1回のみの使用としてください。
Step8:割れた和紙リンゴを元に戻す(マスキングテープ使用)
隙間やズレがないよう丁寧に合わせながら、マスキングテープで左右3ヶ所ずつ(計6ヶ所)仮止めします。
Step9:割れたリンゴを元に戻す(和紙を貼る。1回目)
マスキングテープを避けて、カットした部分を覆うように和紙を貼っていきます。厚みが出てしまうので、この段階では重ね貼りはせず、1枚だけ貼るようにしましょう。くぼみ部分にも忘れずに和紙を貼ってください。
貼り終えると、下の写真のような状態になります。その後、風通しの良い日陰で自然乾燥させます。
Step10:割れたリンゴを元に戻す(和紙を貼る。2回目)
和紙リンゴがしっかりと乾いたら、マスキングテープをゆっくりと剥がします。和紙を貼った部分は、切れ目がわからなくなっていますね。
切れ目に和紙を貼る
マスキングテープを剥がした切れ目の部分に、和紙を隙間なく覆うように貼っていきます。
全体に和紙を貼る
残りのちぎった和紙を、リンゴ全体に貼っていきます。
上の写真は、貼り終えた状態です。どこがカットした部分かわからなくなりましたね。その後、風通しの良い日陰で自然乾燥させます。
Step11:ヘタを付けて仕上げる
目打ちで和紙リンゴ上部のくぼみ(ヘタを取り付ける場所)に穴を開けます。開ける穴の大きさは、ヘタの太さに合わせましょう。
穴が小さすぎるとヘタが入らず、大きすぎるとヘタがスポッと抜けてしまう可能性があるので注意してください。ヘタを少し押し込むと入るくらいがちょうど良いです。
Step 1でカットしたヘタを用意し、根元にボンドを適量つけます。
先ほど開けた穴に差し込めば完成です!ボンドが乾くまではズレやすいので、注意してくださいね。
こんなアレンジも出来ます!
葉っぱを付けて可愛らしさアップ
和紙とワイヤーで作った葉っぱを付けると、さらにリンゴらしさがアップします。ヘタに押しピンや目打ちなどで穴を開け、ワイヤーの先端にボンドを付けて差し込み、取り付けます。
和紙製の葉っぱは、ワイヤーを和紙で挟んで貼り合わせて作ります。貼り合せたものが完全に乾いたら、葉っぱの形にカットして仕上げます。ワイヤーは、緑色のものを使用するか、白いワイヤーを緑に色付けして使いましょう。
リンゴのインテリア照明
LEDキャンドルライトを使えば、和紙リンゴを素敵な照明としても活用できます。ライトの大きさに合わせて、和紙リンゴの下部をカットするだけでOK。照明として使う場合は、和紙の厚みを薄めに仕上げると、光が綺麗に透過しますよ。
光源選びには十分ご注意ください。熱がこもりやすいので、電池式のLEDキャンドル以外は火災の原因となる可能性があります。通常の電球はもちろん「コンセントに差し込むタイプのLED」でも熱を持つため、絶対に使用しないでください。
最後に
今回は、和紙を使ったリンゴ型オブジェの作り方をご紹介しました。この「本物を使って型を取る」方法は、他のものにも応用できます。
例えば、かぼちゃを使ったオブジェも作れます。
ちょっと変わったものだと、以前制作したこちらの壺。左側が型として使用した本物の壺で、右側が和紙で作った壺です。本物は重さ十数kgありますが、和紙の壺はなんと470gと、見た目からは想像できない軽さです。縁の部分の作り方は少し異なりますが、基本的には今回ご紹介したのと同じ方法で作られています。
このように、和紙はアイデア次第で、様々な形に姿を変えることができます。少しでも多くの方に和紙の魅力や、可能性を感じていただけたら嬉しいです。
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