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石川県金沢市にある和紙専門店「紙あさくら」の公式ブログです。暮らしを彩る様々な和紙インテリアや制作事例などを発信しています。

火事から大福帳を守る!江戸商人たちの驚きの秘策とは

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皆さん、大福帳というものはご存じでしょうか。
特に若い方にとっては、あまり馴染みのない言葉かもしれませんね。大福帳とは、江戸時代や明治時代に商家で使われていた帳簿の一種で、簡単に言うと「お金の流れを記録したもの」です。

火事から大福帳を守る為にとった驚きの方法とは!

江戸時代にはすでに掛け売りが行われていたので、月末や年末にまとめてお金を回収していました。大福帳には、誰にいくらの未回収金があるかも記しているので、商人にとって何よりも大切なものでした。もし大福帳がなくなれば、代金を払っていないのに払った!と言う人も出てくるかもしれませんし、顧客との信頼関係が損なわれる可能性も高まります。当時の大福帳には、耐久性に優れた和紙が用いられ、長期保存に適した作りになっていました。

大正時代に作られた大福帳を、下記ブログ記事でご紹介しています。上質な原料と伝統的な製法で作られた大福帳は、100年以上もの時を経た現在も、その耐久性と美しい見た目を保ち続けています。

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大福帳の焼失を回避する為に〇〇に放りこんだ!?

ここで和紙の丈夫さを物語る、面白いエピソードがあるのでご紹介したいと思います。
昔の建物は燃えやすい木造家屋が連なっていた為、一旦どこかで火がつくと直ぐに燃え広がり、なかなか消火出来なかったそうです。特に江戸の町は火事が多く、数年に一度は大火事がありました。

商家の番頭(商家の使用人で営業・経理など、店のすべてを預かる人)は火事の際、何より大切な大福帳が燃えないように、なんと井戸に放りこみ、それから避難行動をとったそうです。

和紙の丈夫さ

和紙は「水に濡れたら弱いもの」とイメージされる方もいるかもしれませんが、強靭な繊維が複雑に絡み合って出来た本物の和紙は、水に濡れても丈夫なのです。事態が収まった後で井戸の水中から大福帳を引き揚げ、濡れた大福帳をばらして一枚一枚乾燥後、組みなおして普通に使っていたことからも和紙の丈夫さが分かります。
ちなみに火消(現在の消防士)の人達が履いていた草履も和紙を撚って紐状にしたものから作られていました。

この様に和紙は一般的に知られている障子紙、傘紙、堤灯紙、合羽紙、謄写版原紙など、日常生活に使われる物だけでなく、強度が求められる草履や大事な帳面などにも用いられるほど日本人の生活になくてはならないものでした。

ただし、現代では「和紙」の定義が曖昧になっており、洋紙の原料を多く含む紙も「和紙」と呼ばれることがあります。 和紙の定義について、より詳しく知りたい方は、下記のブログ記事をご覧ください。

古くから日本人の生活に根付いてきた和紙。その歴史と技術に思いを馳せると、日本の文化の奥深さを感じます。日本紙幣にもその技術が活かされるなど、現代の生活に密着した存在として、和紙は進化し続けています。このブログを通して、和紙の魅力を少しでも多くの方に伝えられたら幸いです。

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