今日は県外と海外からのお客様と共に、二俣和紙の斉藤博さんの所へ行ってきました。
二俣に向かうまでは雨が降っていましたが、到着すると雨がピタッとやむという奇跡!
時々二俣には行きますが、近くを流れる川には薄っすらとモヤがかかっているのは初めてです。
初めてといえば、斉藤さんが栽培している楮(こうぞ)畑も見せてもらいました。
楮はクワ科の落葉低木。11月頃に葉っぱが全て落ちてから刈り取りを行い、和紙の原料として使われます。茂っていて分かり難いですが、見えている所は殆ど楮です。数年すると可愛らしい赤い実を付けるそうです。
刈り取りした楮を蒸して表皮の皮を剥いだものには、表面に黒皮と呼ばれる皮がついています。上記写真は、黒皮を機械でそぎ落としている所です。場所によってはナタのようなものでそぎ落としている所もあります。
大まかなものはそぎ落とせましたが、細かな節の部分や残った黒い部分は手作業で取り除いていきます。
取り除いた後も様々な工程を経てようやく原料として使えるようになります。
和紙を漉く段階までかなりの労力と時間を要するのです。
斉藤博さんが手に持っているのはトロロアオイといって和紙のネリ材として使われるものです。
丁度、根っこの部分からとろみのある液体が出るのですが、それを和紙の原料と一緒に漉き舟(すきふね)の中に入れて和紙を漉いていきます。
トロロアオイの抽出液は温度に非常に敏感で、人の手の甲にのせて少しすると粘度がなくなって水の様になってしまいます。本来粘度を付ける為のものなので気温が高い時にはネリが効きにくく、夏場の紙漉きは大変!と言われる理由の一つになっています。
このトロロアオイ、多く入れればとろみ強くなり素人でも綺麗な和紙は漉けるとのこと。しかしその反面、漉いた後に水分が中々抜けていかない為、1枚の和紙を漉くのにものすごく時間がかかってしまうそうです。手漉き職人さんは、生産性と品質の丁度良いバランスを見ながらネリ材を入れていくのです。つまり職人さんや漉く和紙の種類によっても入れる量が異なるということです。
毎回行くたびに新しい発見があるので楽しいですね。斉藤さん、親切に教えて頂きありがとうございました。
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