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石川県金沢市にある和紙専門店「紙あさくら」の公式ブログです。暮らしを彩る様々な和紙インテリアや制作事例などを発信しています。

和紙と洋紙の違いとは-第1回 「 日常生活にある紙 」 編

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弊社ショールームにご来店されたお客様から「和紙と洋紙って、どう違うんですか?」と聞かれることがあります。確かに、和紙に触れてみるとその風合いは独特ですが、言葉で説明するのは難しいもの。そこで今回、和紙の魅力をもっと深く知りたい方のために、和紙と洋紙の違いをわかりやすく解説していきます。

全3回シリーズで、日常生活に溶け込む紙から、和紙の定義、そして見分け方まで、順を追ってご紹介します。ぜひ、最後までお付き合いください。

目次

日常にある和紙とは?

いきなりですが、皆さんは日常生活で使われている紙の中で、どれが和紙で、どれが洋紙なのかご存知でしょうか。
新聞や折込チラシ、トイレットペーパー、メモ帳、切手、障子など、私たちの周りにはたくさんの「紙」がありますよね。改めて考えてみると、和紙かなって思うものはありましたか?意外と難しいですよね。

和室の写真/和紙と洋紙の違いについて第1回
新聞紙の写真/和紙と洋紙の違いについて第1回

実は、現在の家庭で使われている紙のほとんどが洋紙です。
もちろん、和紙を生活に取り入れている方もいらっしゃいます。しかし、和室などに使われている障子紙も、昔と違って今は純粋な和紙ではなく、洋紙の要素が多く取り入れられています。

その昔、和紙は生活必需品だった

和紙の歴史は古く、610年に朝鮮半島の僧侶によって日本に伝えられたとされています。平安時代には貴族の間で広く用いられるようになり、鎌倉時代から江戸時代にかけては、武士や町人にも普及しました。

雨傘や灯り、ちり紙、襖や障子など、生活のあらゆる場面で和紙は利用され、なくてはならない存在でした。絹の着物が高価だった時代には、和紙を原料とした「紙衣(かみこ)」と呼ばれる着物まであったくらいです。

紙衣(かみこ)とは?

紙衣・紙布の和紙着物/和紙と洋紙の違いについて第1回
以前ブログで紹介した紙衣の着物

紙衣とは、柿渋やこんにゃく糊などを何度も塗り重ね、和紙の強度を高める伝統的な加工技術です。この加工により、和紙は摩擦や水に強くなります。実際の耐久性については、下記の記事で摩擦テストの結果を紹介しています。

その昔「風船爆弾」という戦争の道具にも、紙衣の技術が用いられていました。ご興味のある方は「風船爆弾」で調べてみてください。弊社も当時、風船爆弾を製造していたという記録が残っており、手漉き職人さんの中にも、同様の経験をされた方もいらっしゃったようです。自分たちの生業とする技術などが戦争に利用された当時、職人さんたちは一体どのような思いを抱いていたのでしょうか。今となっては知る由もありません。

和紙の衰退と復活の展望

古くから日本の生活に根付いてきた和紙ですが、戦後、大量生産・低コストの洋紙が普及し、その地位を徐々に失っていきました。現代では、インターネットの普及により、紙を使わないペーパーレス化が加速しています。洋紙でさえ、その存在が危ぶまれる時代となりました。

しかし私は、そんな時だからこそ、歴史と特徴を併せ持つ「日本の和紙」が、今後ますます注目される日が来るのではないかと考えています。実際、和紙は日本国内だけでなく、海外においても文化財の修復に利用されるなど、その高い品質が評価されています。さらに、インテリア素材としての可能性も注目されており、和紙の持つ温かみのある質感や、多様な表現力が活かされています。

さて、話は戻りまして「和紙とは一体どんなものなのか?」については、次回詳しくお話したいと思います。

【和紙と洋紙の違い解説シリーズ 全3回】

第2回「和紙ってどんなもの?」編

第3回「和紙と洋紙の見分け方」編(最終回)

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